「私のこと、そんな浮気女だと思ってるのー?」

「……違うけど」

「稜君こそ、どこぞの金髪美人と浮気しちゃダメだからねー」

「黒髪ならいいんだー」

「……」

「嘘!! 嘘です!!」

稜君を睨み上げた私と、慌てる稜君。

そのままオデコを合わせた私達は、ちょっと笑ったあと、そっと唇を合わせた。


あの花火大会の日、あんなにも秀君に怒りを露にした稜君。

「わかってるよー」

「え?」

「稜君が、浮気するわけないって」

稜君がどれほど誠実な人か、ちゃんとわかってるよ?


「だから、大丈夫!」

たとえ離れても、ずっと信じてる。


「俺だって信じてるよ」

「うん!」

ほらね?

言葉にしなくたって、私達は同じ事を考えているんだもん。