私をベッドの上にパタリと押し倒した稜君は、
「美月……」
髪を長い指で梳きながら、優しい声で私の名前を呼んだ。
その声と、淡い間接照明の灯りに照らされる彼の表情に胸がギューッとなって、ただそれだけで、小さな吐息が漏れ出てしまう。
「俺の名前、いっぱい呼んで?」
いつもよりも、少しだけ掠れて聞こえる彼の声。
「稜、大好き」
瞳を真っ直ぐ見つめたまま、私の口から零れ出たその言葉に目を細めた稜君は、
「俺のこと、いっぱい感じて」
ゾクッとするほど綺麗な顔でそう言うと、そのまま私の唇を塞ぎ、息が出来なくなるくらいに激しいキスをたくさん落とす。
吐息と、恥ずかしいくらいに漏れ出てしまう私の甘い声に、稜君は少しだけ乱れた呼吸のまま、嬉しそうにその大きな瞳を細めた。
今までにだって経験してきたはずの行為なのに、胸がドキドキしすぎて、心臓が壊れてしまうんじゃないかと思えるくらい……。
稜君は、愛おしそうに私の名前を呼びながら、優しく優しく私を抱いた。