それに僅かに反応して、彼の体がスッと離れた。
「はぁ……っ」
乱れる呼吸を整えようと、息を吐き出した私は、まだ至近距離で稜君に見つめられたままで。
その瞳から、視線を逸らすことさえ出来ない。
そんな私を見て、稜君は困ったように笑って、言ったんだ。
「ごめんね。可愛すぎて、止まらなくなるとこだった」
「……」
酸素が足りないせいなのか。
それとも、その視線のせいなのか……。
未だボーっとしたまま、その瞳を見上げる私を見て、稜君はクスッと笑う。
「そんな顔しないでよ」
「……え?」
「ホントに止まんなくなる」
――止まらなくてもいい。
一瞬そう思ってしまった自分が少し恥ずかしくて、視線を落とす。
そんな私を見て、また小さく笑った稜君は、私の髪をそっと撫でながら言ったんだ。
「でも、今日はここまでにしときます」
少し驚いて視線を上げた私の目の前にいるのは、いつものキラキラ稜君だった。
「ん?」
「な、なんでもないっ!」
まさか、私から……“もっといいですよ”なんて、言えるはずもないし。
てゆーか、そんな風に思ってるわけでもないんだけど!!
私、そんなにお手軽女じゃないしねっ!!
相手が稜君だから、そう思っただけで……!
頭の中で勝手にワケのわからない言い訳をしながら慌てる私の様子に、笑い始めた稜君は、
「なーんだ。止めなければよかった」
そう言うと、もう一度私の唇に、チュッと短いキスをした。

