私が傍に行ったからって、稜君のケガが治るわけじゃないのは、百も承知。
それでもやっぱり稜君の傍にいたいと思うのは、私のワガママ。
それはわかってるんだけど……。
でも、前に稜君が私とのメールを“心が休まる”、そう言ってくれていたのを思い出したんだ。
サッカーが大好きな稜君。
表には出さないけれど、責任感が人一倍強い彼は、きっとシーズン中に戦線離脱した事を気にしているはず。
今の私が、稜君の心を癒してあげられるのかは分からない。
でも、ほんの僅かであっても、何か出来る事があればって……そう思うんだ。
ここ数日、悩んで悩んで、本当にたくさん悩んで、ウジウジ考える事をやめた私。
結衣だって言ってたもん。
昔の私は“フリーダム”で、よくわからないけど、その頃の方が可愛かったって!
年上の人ばっかりと無理をして付き合って、相手に合わせるのに必死になっていた私は、いつの間にか“本当の自分”を相手に見せなくなっていたのだと思う。
航太君にお礼を言った後、再び電話口に出たおねぇーにその話をしたら、
「私も、自由人美月の方が好き」
そう言って、笑われた。
“フリーダム”だの“自由人”だの、みんな好き勝手言ってくれるじゃないかと不貞腐れながらも、自分自身フッ切れたことで物凄くスッキリした。
だから、もう決めたんだ。
自分の気持ちを、ハッキリ稜君に伝えて、「稜君はどうですか?」って……そう聞こう。

