「取りあえず、入院してる病院分かったんで伝えます」
「……うん」
だけど今は、そんな事にツッコミを入れている場合じゃない。
あの日、稜君は試合で相手チームの選手と接触をして、膝と頭にケガを負った。
テレビに映された倒れた直後の稜君は、顔を顰めたまま膝を抱え、立ち上がる事も出来なくて、頭からは出血もあった。
状況が全くわからない私の頭の中は当然真っ白で、体の中で唯一動きを認識出来たのは、ドクドクと激しい音を立てる心臓と手の震え。
「美月!! しっかりしなさいよ!!」
そんな結衣の声でハッとして、稜君の状態がそこまで深刻じゃない事を知ったのは、夜のニュースでの事だった。
やっと胸を撫で下ろしたものの、足の治療の為と、頭を打ったから検査入院をするみたいで……。
悩んだ末に何度か電話をしてみたけれど、ずっと電源を切ったままのそれは、一向に繋がらなかった。
お見舞いに行きたいけれど、当然、一般人の私に稜君の入院先を知る術はない。
だから私は、結局いつものおねぇー頼みを敢行してしまったんだ。

