「いつもごめんね、おねぇー」
小さく呟く私を、電話越しに笑ったおねぇーは「今更!! 美月のワガママなんて、慣れてるし!!」と、笑いながら言葉を返してきた。
「今、航太に聞いてもらってるから、すぐにわかると思う」
「ホントにありがとう。航太君にも後でお礼言わせて」
「平気だよー。そんなに畏《かしこ》まらないでよー!」
またケタケタと笑ったおねぇーは、きっと私を元気づけるために、こんな風に明るく振る舞ってくれているのだろう。
「あ、わかったみたい。ちょっと待ってね」
「うん」
「――もしもし?」
な……っ!!
「こっ、航太君!?」
てっきり、航太君が調べてくれたソレを、おねぇーが私に伝える感じだと思っていたのに。
電話越しに聞こえたのは、航太君の声に一人で慌ててしまった。
お礼を言うつもりではあったけど、さすがに不意打ちは驚くでしょう!?
なんて事をおねぇーに言ったところで、航太君と過ごす事が日常の彼女には理解出来ないだろうけど。
「あ、はい。それで、稜なんですけど――」
私の動揺なんてお構いなしに本題に入る航太君も相変わらずで、二人はやっぱり似た者同士だと思った。

