「絶対にそんな人じゃない」
「そうでしょー? 美青ちゃんの事だって、本人に聞いたわけじゃないんでしょ?」
「……うん」
「その香水だって、実は、チームメイトの男の人だったとか、ただ溢しただけ~とか、そんなくだらない事かもしれないよー?」
「えぇー……」
それはあまりにも、無理があるでしょう。
「とにかく! 本人に聞くしかないでしょっ!!」
バシッと私の肩を叩いた結衣は、ひとりで納得をしたように頷いた。
でもそうだよね。
ああ、こんなウジウジしてる自分が鬱陶しい。
「はぁ……」
一つ大きな溜め息を零した瞬間、ちょうど前半終了のホイッスルが部屋に響いた。
「何か飲み物取ってくるわー」
ホイッスルの音が聞こえるや否や、その辺に放り投げてあった雑誌に手を伸ばした結衣をそのままに立ち上がると、私は自分の部屋を出て、一階のキッチンに向かった。

