「あの……!」
きっと、稜君は誤解してる。
翔太さんが私と付き合っているとは思わないまでも、あんな事を言った私が、稜君の前では流さなかった涙を彼の前で流していたら。
私が、稜君よりも翔太さんを頼っているとか、下手したら、翔太さんに恋愛感情を抱いているとか……。
そんな風に思われても仕方がない。
「稜君、誤解してる!!」
「……」
慌てて否定した私を、稜君はその茶色い瞳でじっと見据えたまま何も言わない。
「私、翔太さんはそういうのじゃなくて――」
やっと働き出した頭で、誤解を解こうと口を開いたのに。
~♪~♪♪~♪~
二人の間の微妙な空気を切り裂くように、普段はほとんど鳴りもしない私の社用携帯電話が音を立てた。

