「おはよ」
「ちょっと優香このニュース見なさいよ!」
「え?」
キッチンで野菜を切っていた母の手が止まる。
テレビから聞こえる声と映像は、女子高生の自殺という題だった。
「…名前」
母の声が震える。
テレビを見る。
”高野莉那”
そう、しっかりキャスターが言った。
信じちゃいけない。
そう思った。
でも、信じるしかなかった。
母は放心状態で、私は現実を受け止めるほどの余裕がなかった。
なんで?
疑問と戸惑いと悔しさしかなかった。
「本日朝4:22、女子高生宅からの電話が警察に届き、警察が駆けつけたところ女子高生はベランダで首をつって亡くなっていたそうです。死因は自殺とみて捜査しています」
「あたし…」
なんで電話切っちゃったんだろう。
あのとき切らなければ莉那は今日を迎えられたのかな?
今日…。
”4月14日”
莉那の誕生日。
悪の連鎖と共に、ニュースが終わる。
時計の針も動く。
ただ動いていないのは、莉那自身だ。
なんで最後に頼ってくれなかったの?
それとも、あたしが電話を切っちゃったのが一番の原因かな?
でも1つだけ言わせて。
莉那は最後に何を思って旅立ったの?
あたしは今、悔しくてしょうがないよ。


