キミ色症候群

お前ら正座!
と新たな命を受けた。


完全にこれは俺には関係ない。
なのにあのチビ。
『ら』って言いやがった。
俺はおとなしくしてたのに。




「ハァ」



ため息をついてちょこんと正座する俺、と天野。


背中までの髪がふわり。
華奢なその肩が俺に軽く触れた。




「ごめんね?」
「は?」
「巻き込んじゃった」



正座したおかげで近くなった廊下を見て天野は詫びる。



「……別に」

「あー、でもさあれだよね」

「……」

「廊下冷たくて気持ちいいね?」

「俺スカートじゃねーから」



俺は男、君は女。
生足が冷たい廊下に触れるのは女子にしか出来ん。



「あ、…そうだね」