立ってろ!


という命を受けて俺ともう一人、居眠りぶっこいてた女子は廊下にいた。



「……」
「……」



しーんと静かな廊下。
窓全開で人口密度も低い為、教室よりも涼しい。


教室の窓も開いていてあの子守唄が廊下に響く。




「…ダサー、天野」


廊下側の席に座っていた男子が壁に体を預けて廊下に立たされている女子に笑った。


「うっさい」
「俺廊下に立たされてる人初めて見た」



おい、それは俺にも失礼。



「黙れ小僧」
「あ、そういやお前の好きなパン買って来たぜ」


こそこそと話をする二人。
女子、天野は男に背を向けて男も壁に体を預けて、背中合わせで。




「ふぁ…」


天野は眠気が飛んだようだけど、俺はまだまだ欠伸が出る。