「お前ら廊下行けーーッ!」



一学期ももう終盤。


別に授業なんていいんじゃね?
こんな暑くてテストも終わった今誰も真剣に聞いてねーよ。


不満を胸に教室を出る。
ため息ついて頭をぽりぽりと掻きながら。



「ふぁ…」



教室よりやはり涼しい廊下。
こっちのが寝れる…。




「天野ーッ!早く出ろッ」



お前『ら』のもう片割れが教室内で怒鳴られている。
どうやらまだ寝ている様子。



遅れること一分。
天野が瞼を閉じたまま廊下に現れた。



「あふ…」



でかい欠伸をして俺の横に立つ。


頭がゆらゆら揺れている。
意識は夢の中だろうか。