「誠也!」



チャイムが鳴って、怒鳴っていた先生にお構いなしな天野は、ガラッと窓を開けて先程の男子に話しかける。



「パン頂戴」

「金よこせ」

「貸した金返せよ」



そんな会話を頭上に受けながら、欠伸をしてチビを見た。


正座していた筈の足はいつの間にか胡坐になっていたようで、いやこれは俺も無意識の犯行。


壁にもたれたままの俺に、チビはどでかいため息を残してそこを後にした。




ふっと目に入る窓越しで会話する天野、…の短いスカートから覗く白い足。


細くて折れそう…。


その足が背伸びをした。
瞬間見えた原田の大好きな世界。


…ピンクですか。




「誠也ー、昨日さぁ…」



あぁ、背伸びしてスカートの中身がひらりとこんにちはした訳は、このせいやの耳に近付いた為だったんだ。


何か耳打ちして笑い声をあげている。
楽しそうで何より。