キミ色症候群

人の話を聞かず、いや、ある意味聞いてはいるけど。
自分の都合のいいように聞いているコイツは、次なる『ね』を繋げようとしている。




頭痛い。


はぁ。と、何度目か分からないため息を漏らすと同時、



「ね…猫ひ○し」



古い名前が出てきた。



いや、そんなことどうでもいい。
もう何も喋らないから。
そうすれば終わりを迎える。


…ったく、うまいこと繋ぎやがって俺。



「し!はい、上野くん」

「……」



喋らない。
俺は普段からあまり喋らないから変でもなんでもない。



「…上野くん」



小さく声が響いた。
声を遮断する為に閉じていた目をうっすら開けてみる。


無視しないでよー!
などと言うのか?


ふん、女子はすぐ騒ぐ。
うるさい生き物だ。