キミ色症候群

女は腕組みをして何かを考えている。さっきまで眠たそうな顔してたくせに。


そんな時間が数秒流れて。
ハッと何か思いついたらしく、瞳をキラキラとさせて言う。



「しりとりでもしようか」



は?



「暇だしね。じゃあせいや!」



いやいや待て。
しりとり?いきなり?


てかせいやって何。



「あ、せいやはさっきの男子。誠也っていうの」



知らん。
そんなプチ情報どうでもいい。



「はい、『や』。どうぞ」

「やらん」

「あー、んがついた…」



俺の返しにもう終わりじゃんと深いため息を吐く天野。



「いや、今のは」



しりとりをしたんじゃねー。