舞白は感情移入しない。

舞白は同情などしない。

ただ淡々と、任務をこなすのみ。

彼女は冷酷無比な死神。

その筈だった。

だが…。

「今思えば…」

リードグレイの髪を風にそよがせて、舞白はどこか虚空を見つめる。

「夏休みの龍娘先生との追いかけっこ…丹下君や奥方と戦ったタイマントーナメント…無感動に過ごしてきたつもりの学園生活も…満更ではありませんでした…」