三階の廊下を、一人行ったり来たり。

もうすぐ卒業だ。

その事が、琉をソワソワとさせていた。

つい、思った事が口に出る。

「アイツら…大丈夫なんやろか…」

世話焼きで、色んな奴に相談されて。

これまで小気味よく軽妙な関西弁で、次々と問題を解決してきた。

しかし、卒業寸前のこの時期になっても、相談者は後を絶たない。

引っ切り無しに詰め掛けてくる、琉を頼りにする者達。

琉は心配だった。