私と俺とバレンタイン争奪戦


私の数少ない友達、真理は不思議そうに首をかしげた。

「いや、いつもより暗い!」

「真理のテンションが高いだけだよ」

「そうかな?だってバレンタインだよ?テンション上がって当然じゃん!」

いや、上がらない。
渡せなくて下がる一方だ。
自分の非力さが憎い。

私はニコッと笑い、真理の方へ顔を向けた。

「私さ、これからチョコを争奪する作戦を練るところなんだ」