私と俺とバレンタイン争奪戦


彼は一旦私の体を離した。

体が熱い。
恥ずかしさや色々で体がフラフラする。

「顔真っ赤だぞ?」

「誰のせいだと思ってるのさっ」

余裕なんかない。
もう少し気の利いた事を言いたかった。

彼は不敵に微笑むと、両手で私の頬を挟み――

「ちょっ……」

そのまま顔を上に向け――

「!?」

自分の顔を近づけ――

「……っ」

私の思考は完全に停止した。