私と俺とバレンタイン争奪戦


「俺はさ、優衣が恥ずかしくて悶え死にすればいいと思うんだよ」

「な、何てとんでもないことを!」

「……もちろん、俺の腕の中で」

よくこんなセリフが言えたもんだ。
しかし、私にはこんな文句を言える余裕もない。

対して翔は。

「さっきまでの威勢はどうしたんだよ?」

余裕たっぷりに微笑んでいる。