私と俺とバレンタイン争奪戦


「……」

何か言おうよ!
もう完全にイタイ人だよ!

私はため息をつくと、翔にチョコを差し出した。

そのまま手を伸ばす翔。
彼はチョコを掴まずに、私の腕を取った。

「!?」

とっさの事に対応できず、翔の方へと倒れ込む私。

彼に抱き締められたと判断するのに、時間はかからなかった。

「は、離して……」

「嫌だ」