「……」

ほら、まただ。

何でバレンタインに、こんな落ち込まなきゃいけないんだ。

自己嫌悪に陥る。

私達はしばらく無言で歩いた。
2月特有の冷たい風が私達の髪を揺らす。


「……別に購買のチョコが欲しかったワケじゃねぇよ」

不意に翔が口を開いた。
思わず私は彼を見る。