私と俺とバレンタイン争奪戦


「知ってるけど、それがどうした」

翔が不満そうに声を上げる。

「君たちも適当な所で折り合わないと、私みたいに利益持ってかれるよ」

「……」

「じゃあね」

そう言って彼女は立ち去ってしまった。
声を掛けるも、全く振り向いてくれない。

「……帰るか」

「……うん」

私達は肩を落として、購買部を後にした。