「えっ」
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俺が
そう声を囁いた時には
既に玲奈さんは
砂浜を走っていた。
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「待って!!」
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俺がそう言っても
彼女の足が止まることはなかった。
俺が見つめられるのは
玲奈さんの後姿だけ。
顔も、表情も・・・見えない。
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思わず
ずっと呼びとめていたが
黙り込んでしまった。
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俺は、
下を向いてまた砂浜に座った。
玲奈さんの姿は見えなかった。
今度は、
漣と鳥の鳴き声と玲奈さんの幻が
頭の中でリピートされていた。
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これが
君との出会い。
そして.....
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『バイバイ――』
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君が置いてった言葉。
