.
.
真っ白い壁。
真っ白い服を着た看護師。
真っ白い服を着た患者。
真っ白い・・・
何の感情もこもらない建物。
.
それこそが病院。
俺が一番嫌いなところ。
.
でも月に一度、
必ずこの場所に来なければならない。
.
.
.
「あの、戸沢風雅です。検査を・・・」
「はい、戸沢様ですね。こちらへどうぞ」
.
.
.
看護師の適当な案内について行きながら
病院の空間を見渡す。
.
本当に真っ白なんだ。
何で白くしてしまうんだろう。
.
もっと明るくすれば良いのに、
何でわざわざ虚しくしてしまうんだろう。
病院に来る度いつも思うんだ。
.
すると、
看護師はある部屋の前で急に立ち止まった。
.
.
.
「この部屋から名前が呼ばれるまで待っていて下さい」
.
.
.
そう言って
さっさと戻って行ってしまった。
.
一人残された俺は
近くの椅子に座って
ここから逃げたいと言う闘争心を抑え
名前が呼ばれるのを・・・
.
只管、待った。
.
