君が置いてった言葉。



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真っ白い壁。




真っ白い服を着た看護師。




真っ白い服を着た患者。




真っ白い・・・




何の感情もこもらない建物。


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それこそが病院。




俺が一番嫌いなところ。


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でも月に一度、




必ずこの場所に来なければならない。


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「あの、戸沢風雅です。検査を・・・」




「はい、戸沢様ですね。こちらへどうぞ」


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看護師の適当な案内について行きながら




病院の空間を見渡す。


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本当に真っ白なんだ。




何で白くしてしまうんだろう。


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もっと明るくすれば良いのに、




何でわざわざ虚しくしてしまうんだろう。




病院に来る度いつも思うんだ。


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すると、




看護師はある部屋の前で急に立ち止まった。


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「この部屋から名前が呼ばれるまで待っていて下さい」




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そう言って




さっさと戻って行ってしまった。


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一人残された俺は




近くの椅子に座って




ここから逃げたいと言う闘争心を抑え




名前が呼ばれるのを・・・




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只管、待った。



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