「・・・何かすっきりした」


「そうですか、それは良かったです」



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そう言った玲奈さんは




微笑ましい表情をした。


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「・・・また、会えるといいね」


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・・・・・・え?



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「じゃあ、行くね」




「えっ、待って下さい!!」


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もう行くなんて早すぎる。


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そう思い、言葉で引きとめたものの




玲奈さんは首を振って立ち上がった。


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「私には・・・雄太郎がいるの」




「え―――」




「だから行かなきゃ.....」


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そう言った玲奈さんの表情は




とても切ない顔をしていた。


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「っ、待って!!」


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せめて、携帯番号でも.....。




そう思い、玲奈さんの腕を掴んだ。


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「は、離してっ」


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「あ・・・・・・」


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その時俺は見てしまった。


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“見てはいけないもの”を見てしまった。


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「・・・・・・バイバイ」


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玲奈さんとの再会。



玲奈さんとの別れ。



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“バイバイ”


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また、君が置いて行った言葉は




別れの言葉になってしまったんだ。


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