君が置いてった言葉。


.



.



.



「す、すいません」


.



「こんなところで寝たら風邪引くわよ?」


.



.



私がそう言うと


.



.



「玲奈さんに会えるかと思ったんですよ」


.



.



真顔でそう言う風雅君。


.



.



「あら、ありがとう」


.



.



そう言って私は




軽く受け流す。




面白い子ね、風雅君。



.



.



「・・・今日の海も綺麗ね.....」


.



.




独り言のように




私がそう呟く。



.



すると風雅君は私の方を見て


.



.



「そうですね。・・・でも今日の海は機嫌が悪そうですよ」


.



.


そう言った。


.



.


「え…?」



.




.



その言葉を聞いて




もう一度海を見直す。


.



どこからどう見ても




海はいつもと変わらず、




波を打ちつけては打ちかえされて・・・




それだけを繰り返しているようにしか見えなかった。



.



.



.



「どう違うの?」


.




.




.



私がそう聞くと




風雅君はふふ、と笑ってこう言った。


.



.



.



「俺は海との付き合いが長いんで、何となくわかるんですよ」



.