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「す、すいません」
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「こんなところで寝たら風邪引くわよ?」
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私がそう言うと
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「玲奈さんに会えるかと思ったんですよ」
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真顔でそう言う風雅君。
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「あら、ありがとう」
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そう言って私は
軽く受け流す。
面白い子ね、風雅君。
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「・・・今日の海も綺麗ね.....」
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独り言のように
私がそう呟く。
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すると風雅君は私の方を見て
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「そうですね。・・・でも今日の海は機嫌が悪そうですよ」
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そう言った。
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「え…?」
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その言葉を聞いて
もう一度海を見直す。
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どこからどう見ても
海はいつもと変わらず、
波を打ちつけては打ちかえされて・・・
それだけを繰り返しているようにしか見えなかった。
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「どう違うの?」
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私がそう聞くと
風雅君はふふ、と笑ってこう言った。
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「俺は海との付き合いが長いんで、何となくわかるんですよ」
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