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静かな漣が


俺の砂浜の足跡を攫って


俺が来た証を消す。


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まるで俺はここに来るなと言われてるようで


少し悔しかったけど


思いっきり砂浜を踏みつけると


その足跡は波では消えなかった。


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何だか勝ち誇った気分になった。


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なんてことを一人で思いながら


砂浜を歩く。


サクサクと音がする。


正しく言うとその音しか聞えない。


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「・・・」

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勿論玲奈さんもいない。


今頃何しているんだろう。


そんなことばかり考えてしまう。


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正直、玲奈さんがいないんじゃ


この砂浜にいても意味がないけれど・・・


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何故か、


ここで落ちつきたくなったんだ。