君の側に  上

「一緒に帰らん?」

樹は毎日、優実を誘って
一緒に帰った。
数日もすれば
樹は優実の鞄を
持ってあげたり、手を繋いだり
するほどになった。

だけど、そんな二人に
冷たい視線があった。

それはクラスの女子たちの視線。
クラスでも学年でも人気の樹。
二人が付き合うことを嫌がる
女子が多かった。

「なんで、あんなインキャと
 付き合ってるの?」
「別れてほしいんだけど。」
「五十嵐 優実マジで
 キモイよねー」

そんな会話ばかりで
溢れ返っていた。