君の側に  上

気になる話。
だけど、自分から聞くのは
こわかった。
だから、樹が話してくれるのを
待った。

樹は少しの間喋ろうとしなかった。

2人になった広い教室。
グラウンドから小さく
遊んでいる人の声が聞こえる。
静まり返っているこの教室で
一体、なにが起こるのか
不安に思っていたとき
樹が口を開いた。