君の側に  上

「樹、連れてきたよ!」

私と薫の前には樹が
たっていた。
その顔は少し赤くて
なにか、恥ずかしがっているような。
隣にいる圭は樹の赤い顔を
見ながら、ニヤニヤと
笑っていた。

「なっ、なに…?」

樹が口を開こうとしたとき
授業の始まりを告げる
チャイムが校内に
響いた。

すると樹が私に言った。