「ならいい」 那月君は満足気に言って部屋を出る。 そして「またね」と言って手を振る那月君に、私はドキッとした。 バタン、と玄関の扉が閉まり、静まり返る空間。 那月君は嵐のように去っていった。 なんだったの…? 私は那月君のことを思い出す。 いつの間にか私は、那月君のことばかりを考えるようになっていた。 学校でも探してしまう、目で追ってしまう。 どうしちゃったのかな、私……。