「どちら様ですか?」


あたしはインターホンでこたえる。



『オレ…早河…』


弱々しい声が聞こえた。



那月君!?


あたしは慌ててドアを開けた。


「那月君どうした…」


言い終わらないうちに那月君があたしに近付いてくる。


顔はあたしの目の前に、手はあたしの肩に。



「な、何するの…」


心臓がトクンと跳ね、顔が赤くなる。



那月君の唇があたしの唇に…


触れることはなく那月君は倒れ込む。



まぁ、お決まりな感じのアレね。



那月君の顔はあたしの首もとにある。



「あ…あつっ…」


那月君の顔は、体は、ものすごく熱かった。