「よくも毎日勉強ばかり出来るわね」
そう皮肉る優香。
あなたに言われたくないんだけど。
「優香はもう少し勉強しなさい」
あたしは淡々と返す。
「あんたってば本当むかつく!顔は良いし頭良いし、スポーツ万能でピアノ上手いしバイオリン弾けるし、その上性格がいいときた!どれか一つくらいあたしによこしなさい!!」
優香は表の良いところしか見てないんだよ。
「……器用貧乏」
あたしはボソッと呟く。
確かに成績は良い方かもしれないけど、一番にはなれない。
スポーツも一通りできるけど、どれも才能はない。
ピアノもバイオリンも弾くけど、コンクールで入賞できるほどじゃない。
そしてあたしは、計算高い腹黒女。

