「もう!」


「ただいま!」


父さんが帰ってきた。

相変わらず、スーツにネクタイが似合う。


「翼は?」




「お風呂よ。」


お風呂の順番は、俺がいつも最初。

まあ、いいけどさ。





「直人、どうだ?最近は。」





「別に、なにも変わらないよ。」




「そうか。そうだ。翼がサッカークラブに入りたがってるのだが、どう思う?」




「いいと思うよ。翼、サッカー才能あるよ。」

翼は、筋がいい。俺が言ったことにすぐ反応してくれる。


「そうか。」





「父さん、あんまり無理するなよ。」





「な・何でわかったんだ!おい、直人!」



分かるよ。親子だから。