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そして、奈々さんはその中に入っていく。

私と向かい合わせになった。

「じゃあ、ここに座って!」

「うん。」


私は、フルートを取り出した。

箱を出して、奈々さんに渡す。


すると奈々さんがフルートを調べる。



「ちょっと、治すね。そんなに捻くれてないけど。」

「そっか、よかった。」


安心。

「音程が少しずれてる。ていうか、けっこう吹いてないから汚いね~」


「あははははは、ごめん。」


その通りだ。さすが!!

「掃除もしとくね。」

「ありがとう。」



「咲ちゃん、大丈夫?ちゃんと吹けてんの?」


「ううん、だめだめ。今はゆっくり吹きたいの。」


「なるほどね~」


「私、吹けると思う?」

「うん。もちろん!!」


「ありがとう!!気が楽になったかも。」


「それなら、嬉しいな。まだ遅くないよ。楽器を始めるのは16才からでも全然大丈夫!!」



「ん。そうだね!!」