不破先輩は、アドバイス上手だよね。


恋は、焦らなくてもやってくるのか?


「俺も、恋はしたかったんだ。でも、なかなか良い子に恵まれなくてね。」


そうだった.......。

知らなかった。昔からずっと知ってたはずなのに。

「でも、突然現れたんだよ!最初は、あんな人になりたいって思ってた。」

「何で?不破先輩は、何でも出来るじゃないですか。」

運動神経も、良いってお兄ちゃんが言ってたし、勉強だってお兄ちゃんと互角なのに。


「ははっ、咲ちゃんは純粋だね。俺は、ふつーが良かった。」


「ふつー?」


「そう。平凡な人。何にも目立たない、ふつーの人。」


「そうだったんだ……。」


私も、平凡な人になりたかった。

フルートの天才じゃないのに、つい目立たってしまう。

それが嫌だった。


「だから、あいつがそうだったんだ。でも、話していくうちに平凡な人も大変なことを知った。だから、ようはどっちも同じなんだね。」