トップ

「咲・・・・。」

お兄ちゃんがそっと私の体を離す。


「私、分かんない。フルートを吹くべきなのか分かんないよ・・・・」

「無理すんな、咲。」


「でも、でも・・お兄ちゃん・・・・・・・戦うことになったの。」


「フルート奏者とか?」

「うん・・・・」

吉川 尚美と。












「ああ。吉川 尚美か・・・・聞いたことはあるな。」


「うん・・・・・」

「戦う気はあるのか・・・・??」


「それが分かんないの。もうどうすればいいかわかんないの!!」



もう限界なのかな?



ねぇ、トップに立たなければよかったのかな?


「咲・・・・自分を見失うな。そんなヤツに自分を取られるな!!」

あ・・・・







「もう一度自分と向き合ってみろ。俺は咲を応援してるよ。」



「うん・・・・・・・・・分かってるつもり・・」


「うん。」