【短編】ブレンディ・ロマンス

役員と平社員

社会人と非社会人

大人と子供


OLと高校生



この世界には自分と相手を枠にはめる鉄格子のような仕切りが沢山ある。


もし、崇也が同じ社会人だったら。


もし、ことりが高校生だったら。



もっと簡単に答えが出せたのだろうか。




「・・・ければいいのに」
「先輩?」


絞り出したようなことりの声に、瑞穂が怪訝そうに表情で呼びかけ、はっとしたことりは慌てて自身の口元を両手で抑えた。



「私、今・・・・」




何を言った?何を言おうとしたー?






バラバラの欠片が集まって、ことりの中で一つの形になろうとしていた。