「あんまり頭にきたもんだから、思いっきり郁士の頬引っ叩いちゃって、先輩どうしよおおお、絶対怒ってますよね、もう嫌われちゃってたらどうしよう~~~」
「ほら、泣かない、泣かない。」
ホットチョコの入ったマグカップを一つ瑞穂に渡し、ことりは自分の分を机に置いた。
「うわあああん!もう私、先輩と付き合うぅううう」
再びわんわんと声を上げて泣く瑞穂はことりに縋りつく。しばらくそのままの体勢で肩を震わせていた。
「今日は泊る?うちから出社すればいいし」
ことりの提案に瑞穂は首を横に振った。
「いえ、落ち着いたら帰ります」
「じゃあ、駅まで送るね。」
弱弱しく笑いながらことりから離れた瑞穂は、マグカップに口を付ける。
熱すぎもなく、ちょうど飲み頃の温度だった。
一口、二口と噛み締めるように飲んだ瑞穂は小さく息を吐く。
「何で、立場ってあるんでしょうかね」
「え?」
ぽつりと呟いた瑞穂は、言っても仕方ないことですが、と小さく笑った。
「例えば、私が社長令嬢だったら、とか、郁士が社長息子じゃなかったら、とか考えちゃうんです。」
もしも、の話で、現実にはそんなことないとわかっているのだという瑞穂を、何を夢みたいなことを言ってるのだとことりは笑うことはできなかった。
それは口に出さずともことりも心のどこかで思っていたことだった。
「ほら、泣かない、泣かない。」
ホットチョコの入ったマグカップを一つ瑞穂に渡し、ことりは自分の分を机に置いた。
「うわあああん!もう私、先輩と付き合うぅううう」
再びわんわんと声を上げて泣く瑞穂はことりに縋りつく。しばらくそのままの体勢で肩を震わせていた。
「今日は泊る?うちから出社すればいいし」
ことりの提案に瑞穂は首を横に振った。
「いえ、落ち着いたら帰ります」
「じゃあ、駅まで送るね。」
弱弱しく笑いながらことりから離れた瑞穂は、マグカップに口を付ける。
熱すぎもなく、ちょうど飲み頃の温度だった。
一口、二口と噛み締めるように飲んだ瑞穂は小さく息を吐く。
「何で、立場ってあるんでしょうかね」
「え?」
ぽつりと呟いた瑞穂は、言っても仕方ないことですが、と小さく笑った。
「例えば、私が社長令嬢だったら、とか、郁士が社長息子じゃなかったら、とか考えちゃうんです。」
もしも、の話で、現実にはそんなことないとわかっているのだという瑞穂を、何を夢みたいなことを言ってるのだとことりは笑うことはできなかった。
それは口に出さずともことりも心のどこかで思っていたことだった。
