あっという間に放課後。
「ヒカリ、あのさ、今日用事があってさその…」
桂太が歯切れ悪く前髪をいじりながら話しかけてきた。
私は彼がなにを言わんとしてるのか分かると微笑んだ。
「あ、そうなの?よかったー、実はさ今日私も用事があって一緒に帰れないからどうしようかと思ってたんだ」
「そうなのか?じゃぁちょうどよかった、また明日な!」
「うん」
桂太は走って教室を出て行く。
彼の姿が見えなくなったところで俯いた。
教室には私一人。
由梨も彼氏と二人ですでに帰ってしまっていた。
今すぐに帰る気にはとてもなれなかった。
浮気をしていると分かっていてもなにも言わない。
だけど、仲良さげにいる桂太と浮気相手を見れるほど強い人間じゃない。
「(もしかしたら本当に用事があるのかもしれない)」
絶対に違うと分かっていても、そう思わずにはいられなかった。
否、私の祈りなのかもしれない。
ただ、そうであって欲しいという
「(せめて、家が近くなければ…)」
私と桂太の家は隣とはいわないが、わりと近い。
同じ町内だし。
それに、私家に向かうには桂太の家の前を必ず通る。
「(仕方ない、今日は遠回りして帰るか)」
思わず溜め息をつく。
最近溜め息が多いな、と考えてると、
「あ、まだいたんだ」
「ヒカリ、あのさ、今日用事があってさその…」
桂太が歯切れ悪く前髪をいじりながら話しかけてきた。
私は彼がなにを言わんとしてるのか分かると微笑んだ。
「あ、そうなの?よかったー、実はさ今日私も用事があって一緒に帰れないからどうしようかと思ってたんだ」
「そうなのか?じゃぁちょうどよかった、また明日な!」
「うん」
桂太は走って教室を出て行く。
彼の姿が見えなくなったところで俯いた。
教室には私一人。
由梨も彼氏と二人ですでに帰ってしまっていた。
今すぐに帰る気にはとてもなれなかった。
浮気をしていると分かっていてもなにも言わない。
だけど、仲良さげにいる桂太と浮気相手を見れるほど強い人間じゃない。
「(もしかしたら本当に用事があるのかもしれない)」
絶対に違うと分かっていても、そう思わずにはいられなかった。
否、私の祈りなのかもしれない。
ただ、そうであって欲しいという
「(せめて、家が近くなければ…)」
私と桂太の家は隣とはいわないが、わりと近い。
同じ町内だし。
それに、私家に向かうには桂太の家の前を必ず通る。
「(仕方ない、今日は遠回りして帰るか)」
思わず溜め息をつく。
最近溜め息が多いな、と考えてると、
「あ、まだいたんだ」