次の日、
私はいつも通りに学校に向かった。
散りかけの桜はとても美しく誰もがつい見惚れてしまうことだろう。
私だって例外じゃない。

散っている花びらをみるとなんだか切なくなる気がするのは、日本人だからこその風流により感じるものなのだろう。
惜しく思えてしまうのも。






「せんぱーい!」






何処かで聞いたことのある声の方を振り向けば、一年の女の子が。
その先には桂太が。

またか、と呆れて溜め息をつく。

いっそ別れてしまえばいいのに、それができないのはやはり私自身が彼に心底惚れているからなのだろう。



溜め息をまた一つ零すと、彼等に気づかれぬように校舎へと入って行った。




















「おっはよ~ヒカリ」


「おはよ由梨」








いつもより騒がしい教室に皆どうさたの?とひかりが聞くと、






「今日音楽の日だからでしょ」






という答えが帰ってきて納得。
要するに音楽をとっている人(女子)が蒼井の授業が楽しみで仕方ないらしい。

私もちろん選択は音楽だ。
ちなみに由梨も音楽。
桂太は美術をとっている。






「(確かに私も楽しみだな…。昨日のピアノだってめちゃ上手かったし)」






そんなことを考えて、席についた。