「陸上部のマネージャーって楽しい?」
「もちろん」
ニコっと笑う自分と裏腹に自分の心は、徐々に錆び付いていく。
さっきまでいたスタンティングの場所をじっと見ていた。
「走ってきたら?」
「え!?」
水を飲んでいる村崎先輩をパッと見る
「いいです、私走れないし…」
その言葉を不思議そうに思うのが分かる
「きゃー!頑張ってー!!」
黄色い声援のほうに目をやると心地良さそうに走るあいつ。
ただ、あいつは風みたいだ。
「なー、やまもっちゃんって、椎名と同じ中学だよな?」
やまもっちゃんとは、私のあだ名。
椎名とは、幼、小、中、高同じのやつ。
