「マネージャー、タオル頂戴」


その声でハッと我に返る


「分かりました~」


400メートルを走った先輩が
全力で手を振って私を呼ぶ



スタンティングから外れ

タオルや水を持って駆け寄る



「どうぞ」


ありがとうね、いつも

と爽やかなスマイルで笑った村崎先輩



「いえ、これが私の役目ですから」




私、山本夏音は

この陸上部のマネージャーである。