きっと、今、同じことを考えている。


『どうしてここにいるんだ?』って。


「かんちゃん何で固まってるんだ?自己紹介はー?」


またしても空気を読まずに発言した青羽。
それに救われて彼は我に返ったようだ。


「うるせぇ。教師を『ちゃん』付けして呼ぶんじゃねーよ」


あの日と同じ悪態。
イラッした時の顔。

なんだか懐かしくて見とれてしまった。


「神田銀次(かんだ ぎんじ)だ」

「えっ、自己紹介それだけ?」

「以上。ホームルーム始めんぞ」


ちぇー。
青羽のつまらなさそうな声を無視してホームルームが始まった。

時折感じる視線はあたしを責めているようだった。