ピンポンパンポーン

〈修学旅行、実行委員の人は生徒会室に集まって下さい。〉


「げっ。私行かないと~。」

『雅美は修学旅行とか好きだよねー。』

「ごめんね。私 先に行くわー。」

『はいはい、頑張ってね~。』

(はぁ、雅美行っちゃったよ~。暇だな…)

「なぁ…」

『え?!』

(あ、そーいや陛太くん居たんだった。)

「櫻井、下の名前なんて言うん?」

(え、呼び捨て?)

『え、ああ、
翔乙莉だよ。櫻井 翔乙莉。』

「翔乙莉…
なぁ。」

『ん??』

「翔乙莉って呼んで良い?!」

(え~!?下の名前~!?
遂に~遂に~私のモテ期!?
これで優紀に馬鹿にされずに済む~!)

「おい、翔乙莉。
顔赤いぜ。熱あんじゃね?」


陛太くん額が翔乙莉の額にくっつく。


「熱は無いみて~だな。
大丈夫か!?」

『あ、うん。大丈夫。
良いよ…翔乙莉でも…』

「良かった。Thank you。
翔乙莉。」

(ドキッ)

「なあ翔乙莉。
赤外線やろーぜ。」

『え。あ、うん。』

「ケータイ貸して。」

『あ、はい。』


陛太が2台のケータイを持って操作している。


「はい。終わり。」

『ありがとう。』