『お母さん〜。』 いくら呼んでも返事がない。 『何処にいっちゃったの?』 見渡してもお母さんがいない。 『お母さん〜。お母さん〜!』 先に帰っちゃったのかな? 『晩ご飯の用意があるから先に帰ったんだよね?もうちょっと待っててくれたらいいのに。』 土手に登って歩き出す。 自転車が向いていた方向の反対に行けば帰れるはずなんだけど。 生まれた時に段ボールに入れられた事などすっかり忘れていた私は、捨てられたなんて、全然気がつかないで家路に着いた。