ここの玄関は引戸じゃないから、私には開けられない。 レオだったら開けられるのに。 『お母さん!もう、いかなきゃいけないの。 開けて! 開けて! 玄関を開けて下さい!』 「どうしたの? 」 優しく頭を撫でられた。 「お家にかえるの?」 子供が帰るまで待って欲しそうだったが、お母さんはゆっくりと玄関を開けてくれて、 「車に気をつけてね!」 と走り去る私の姿が小さくなるまで、見送ってくれた。