pianissimo.

「俺が……そっち行く?」


同じ空間に居る二人の間に、こんなにも距離があることが不自然だとでも思ったのか、ライガはまたムックリ起き上がって胡坐をかくと、顔だけこちらに向けて私に聞く。


「来なくていい」

ムスッとしたまま答えると、「降って来たら入れてね」とまた屈託なく笑う。


「ここも屋根ないしっ!」

ムキになって返せば「だな」っと。クツクツ喉を鳴らして愉しげに笑う。



怒ってんのに。私、怒ってんのに……。



憎めないから嫌だ。それどころか、どんどん好きになるから本当に嫌。

ライガには彼女がいるのに。私なんか見ていないのに。