pianissimo.

とうとうライガ、絶体絶命だよ。さあどうする?


他人事だからか、何だか無性に興奮してきた。何コレ、すごく面白い。

肉食獣に取り囲まれて逃げ場を失った小動物、本当なら悲劇のはずなのに。私って最低だ。冷徹人間だ。




違う……。


これは悲劇なんかじゃない。ライガならこの窮地を何とかして乗り越える、そう直感していた。


むしろ喜劇の予感。


そう確信させる『何か』がライガにはあった。見た目は極普通のどこにでもいる高校生男子なのだけど。